関生支部への不当弾圧に対する抗議声明

8月28日、滋賀県警は、全日本建設運輸連帯労組関西地区生コン支部の武建一執行委員長のほか支部役員2人の計3人を不当逮捕したうえ、大阪市内の関西地区生コン支部事務所と隣接する学働館・関生(大阪労働学校のある)を家宅捜索した。

これは労働者一人一人の権利獲得と生活を守るために闘う労働組合と大企業の収奪に抵抗し協働をつくり出す協同組合への弾圧であり、許しがたい全くもって不当なものである。

これは、湖東生コン協同組合による恐喝未遂容疑として滋賀県警が捜査中の事件の一環のようである。7月18日に同協組の理事ら4人が逮捕され、3人が8月8日に起訴された。さらに8月9日には同協組理事長、同協組登録販売店支店長、関西地区生コン支部役員の3人が逮捕されている。この事件では、今回の逮捕で、事業者が6人、関西地区生コン支部役員の4人が逮捕されたことになる。

一連の事件では、昨年3月~7月、東近江市で建設中だった清涼飲料水メーカーの倉庫建設工事において、湖東生コン協同組合が、施工業者であるゼネコンに対し、工事に使用する生コンは同協組から購入するよう働きかけたとされる。

この滋賀県警の捜査は予断と偏見にもとづくものといわざるをえない。生コン業界においては、中小企業である生コン業者らが中小企業協同組合法にもとづく協同組合を組織し、この協同組合による共同受注・共同販売事業によって、力関係で優位に立つゼネコンとのあいだで対等かつ適正価格での取引を可能にし、それによって生コンの品質も確保されてきたからである。労働組合は組合員の雇用と労働条件確保のために協同組合の活動に協力してきた。中小企業団体の正当な営業活動やこれに協力する労働組合の正当な組合活動を敵視する強制捜査は断じて容認できない。滋賀県警は、業者に対し「関生と手を切れ」といい、組合員には「組合加入の動機はなにか」などと不当労働行為の職権乱用をおこなっている。

 

この弾圧は、自己責任論により格差拡大を肯定し、「働き方改革」によって資本家の思うがままに労働者を使い捨てる社会・経済体制を強化するために、「共謀罪」を労組へ先取り的に適用した不当な攻撃であり、沖縄基地撤去、原発再稼働阻止、戦争法・共謀罪阻止、憲法改悪反対を求める社会的労働組合への弾圧にほかならない。

そして関生支部の設立した大阪労働学校アソシエは、労働者がともに学び、議論できる場であり、批判的意識を獲得し、自分の関心を突き詰めていくことのできる本当の意味での“学びの場”である。ここでわれわれは、働く人たちが主体となって、自分達の労働条件や生活を守るだけでなく、働く者が主人公となる新しい社会が可能であることを学んだ。ここには昨今の就活予備校化していく大学に問題意識を持った若い仲間が集まっている。今回の当校への家宅捜索は、団結し連帯していく場に分断と孤立をもち込むことを意図した攻撃である。これに対してわれわれはより強く団結し、より広く連帯するために、労働学校へ結集しよう。

私的利害にまみれた大阪広域協組とレイシスト集団による労働組合攻撃に対して抗議する。関西地区生コン支部の労働運動・協同組合運動双方の実像を歪めたネット上などでの情報発信に対してわれわれは、闘う労働組合・社会的労働組合である関生支部の闘いの実際、その運動の歴史と成果を学び、押し広げていくことで、連帯し、共に闘うことを宣言する。

 

われわれは不当な弾圧に屈することなく、運動を前進させる決意をあらためて表明するものである。以上

 

2018年8月31日

大阪労働学校アソシエ 青年学生有志一同

 

 

この滋賀県警の不当逮捕に抗議。権力弾圧に屈することなく、運動を前進させる決意をあらためて表明は、http://rentai-union.net/archives/1745
8月9日の弾圧に対する抗議声明は、http://rentai-union.net/archives/1707でご覧下さい。

その他関連情報は、「連帯広報委員会」 http://rentai-union.net/ の各記事を見てください。