大阪労働学校・アソシエ 第3回公開市民講座

わたしたちの内なる優生思想を問う
―いのちの選別を求める社会と向き合う―

 原発事故による放射能の汚染は、わたしたちに不安と恐怖をあたえました。政府はその不安と恐怖に対して救済の手をさしのべるのではなく、自主避難している人々を「自己責任」と突き放しました。このような国家の棄民政策は不安をさらに増幅します。
 原発災害が発生したとき、「障害児を産むのではないか」という妊娠女性の不安が煽りたてられ、出生前診断が急増しました。染色体異常がみつかった妊婦は中絶を求めます。このようにして、生命を選別する意識がわたしたちのなかに密かに浸透してきます。
 原発災害の発生から数年を経た2016年7月26日、障碍者施設で働いていたひとりの青年が、みずからが介護していた障害者に刃物を向けて、19人の命を奪い去りました。かれは「障碍者は不幸を作ることしかできません」、とその理由を記しています。同じ発言は、すでに東京都の行政責任者によっても発せられました。「ああいうひとっていうのは、人格があるのかね」と。
 原発災害を契機とした出生前診断の増加、そして障害者を社会から排除しようとする動きは、ひとの生命を能力や効率を基準にして振る分け切り捨てるこの社会の深部から発生する動きであり、わたしたちの自身のこころのありように深く根ざしてます。わたしたちの日々の暮らしのなかに命を選別する思想が浸透していることを物語っています。
 この2つの出来事を通して、わたしたちの日常生活を見直し、自分の日常感覚を問い直し、わたしたちの関係のありかたを変えていく道筋を探るために、このシンポジウムを開催します。
 わたしたちといっしょに考え討論していきませんか。

【報告者・報告テーマ】
「優生思想と向き合って」
古井正代(脳性まひ者の生活と健康を考える会)

「優生思想を根づかせているもの-インクルーシブな社会を求めて」
山中多美男(社会福祉法人ノーマライゼーション協会理事長)

「生まれてくる生命の選別―膨張する出生前診断技術」
利光恵子(グループ生殖医療と差別)

「みんなちがって、みんないい-生権力と優生思想を超えて」
斉藤日出治(大阪労働学校・アソシエ副学長)

「優生思想を超えるつながりをどうつくるか」
後藤由美子(真宗大谷派僧侶)

「『歩けなくなったらおしまい』老いと内なる優生思想」
古井透(大阪河﨑リハビリテーション大学)

■日時 2017年7月29日(土)13時~16時
■会場 大阪労働学校・アソシエ4階ホール (大阪市西区川口2-4-2)
お問い合わせ 06-6583-5555(大阪労働学校・アソシエ)