若者よ、マルクスで現代社会を読んでみよう

「生活過程論で再読するマルクス――21世紀のオルタナティブに向かって」

講師 田畑稔
(季刊唯物論研究編集長)

 21世紀のオルタナティブを実践的に探究する上で、マルクスから示唆されることは非常に大きい。資本主義論、物象化論、疎外論などはその最たるものであるが、最近のマルクス研究を通して、アソシエーション論、エコロジー危機、周辺部問題などについても、従来のいわゆる「マルクス=レーニン主義」とは大きく異なるマルクス像が明らかにされつつある。今年の講義では、マルクスの「生活過程論」に着目しつつ、これら「可能なるマルクス」を繋ぎつつ、マルクスの全体像の再構成に迫ってみることにしたい。

参考文献
伊藤誠・大藪龍介・田畑稔編
『21世紀のマルクス―マルクス研究の到達点』新泉社、2019年11月